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種牡馬展示会考察・JBBA・アロースタッド・レックススタッド編

はじめに

こんにちは。高津です。

前回に続いて、種牡馬展示会を見て種牡馬考察をしていこう…という企画の続きです。

今回はJBBA・アロースタッドレックススタッド編です。

 

JBBA日本軽種牡馬協会

ミスチヴィアスアレックス(by Into Mischief)

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血統表

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種付け料:受胎後支払120万円

2021年のカーターH(米GI)の勝ち馬です。フィレンツェファイアが起こした嚙みつき事件のフォアゴーS(米GI)にも出走していました(6着)。デビューから終始短いところを使われ、最長はLaurel Futurity(Black Type)の1マイル1/16(約1710m)でした。カーターHを見る限り、ハナからビュンビュン飛ばしてバテ合いに持ち込む力任せな逃げ馬ではなく、控えてタイミングを見計らって抜け出す先行馬でした。
血統的には母父にSpeightstown→Gone Westと遡れる血統を持ち、血統表を4分割した際には3/4にSecretariatを持つ、Secretariatが支配的な種牡馬と見なすことができます。組み合わせではDistorted HumorやBoldnesian子孫(Seattle SlewA.P.Indyなど)を持つものが良く、日本で再現するとこんな感じになりそうです。

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Distorted Humorを父のフォーティナイナーで、A.P.Indyカジノドライヴで代用した形です。母は地方競馬高知県知事賞を制した活躍馬です。それ以外にはクロフネを用いてIcecapedのインブリードを作る(5代表内には記載なし)ことでも父の成功パターンを踏襲できます。

 

ノーブルミッション(by Galileo

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血統表

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種付け料:受胎後支払150万円

英愛仏でGIを制したGI3勝馬です。全兄には現代最強馬の1頭に挙げられるFrankelがいる超良血馬です。引退後はアメリカで供用され、ダートGI馬も送り出しています。

全兄の傾向を借りるならMonsunの系統との組み合わせが有力です。兄の産駒のモズアスコットが証明したようにダート適性もあり、芝がダメでもダートで潰しが利くポジティブな面もあります。母系にBlushing Groomを持つため、キングカメハメハ牝馬を配せばホッコータルマエの配合を再現できる強みもあります。

 

アニマルキングダム(by Leroidesanimaux

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血統表

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2011年のケンタッキーダービー、2013年のドバイワールドカップ馬です。

ケンタッキーダービーを制した際は中団から、ドバイワールドカップは先団直後からの押し切りと、スピードの持続力とパワーで押し切るアメリカ馬らしさは控えめでした。血統面は新大陸と旧大陸のハイブリッド種という印象です。父Leroidesanimauxアメリカの芝競走で活躍しましたが、種牡馬としては成功している印象がなく、本馬が唯一の後継と見ていいでしょう。母系はワールドエース・ワールドプレミア兄弟の母父に名を残すAcatenangoに日本で活躍馬を送ったダンシングブレーヴと日本適性は一定ありそうです。しかし、3代父Blushing Groomはスピードと持続力をトレードオフする種牡馬で、Lyphardインブリードでスピードと瞬発力を補完してもどちらに転ぶかわからない”怖さ”のある種牡馬です。

持続力をさらに強調しつつ、Lyphardインブリードでスピードを引き出す方向で行くならハーツクライジャングルポケット、シンプルにスピードと瞬発力を引き出すのであればディープインパクト牝馬との配合が挙がってくるでしょう。

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Blushing GroomLeroidesanimauxの持続力を重ねているのに加えて、母父に持続力系種牡馬トニービンを持つハーツクライを採用した形です。Haloが2か所に挿入されていることで瞬発力の増強も狙えるでしょう。

 

アロースタッド

カリフォルニアクローム(by Lucky Pulpit

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血統表

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種付け料:受胎条件400万円

2014年の米クラシック2冠馬・2016年のドバイワールドカップ馬です。前半からビュンビュン飛ばし、シバき合ってしばき倒された方が負けというアメリカ競馬を体現したような馬で、揉まれ弱い脆さとスムースにレースを進めた際の強さが隣り合わせで存在する馬でした。1歳下にAmerican Pharoah、2歳下にArrogateと2年連続のクラシック三冠馬がいたこともあってアメリカから日本に渡ってくるわけですが、2頭と比べると脆さの面が悪目立ちする負け方をしてしまったこと(2015年のドバイワールドカップ、2017年のペガサスワールドカップなど)が種牡馬のキャリアに影響したと考えます。他にもTapitの大成功でその血を受けた競走馬・種牡馬の氾濫、自身が”二流馬産地”であるカリフォルニア州産である出自、薬物疑惑など、邪推を始めたらきりがありませんが…

母、祖母はメリーランド州産、3代母はニューヨーク州産、4代母でようやくケンタッキー州産にたどりつく流浪の血ではありますが、配されている種牡馬は一流どころです。父Lucky Pulpitは競走実績こそD8.5FのGII2着とT5Fのブラックタイプレース勝ちとインパクトに乏しいものの、Unbridled's Songが出ている牝系の出身である点など、全くの無名無実の種牡馬ということでもありません。

配合で狙い目なのはシンプルなディープインパクトとのベストトゥベストにテクニカルに寄せるなら父の3代母Incantationから展開されている牝系出身馬(Unbridled's Song、母父にIncantationの仔Seattle Songを持つTiznow)と掛け合わせると面白いのではないかと考えます。

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こんな配合はありえないと思いますが…。

 

フィレンツェファイア(by Poseidon's Warrior)

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血統表

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種付け料:受胎条件150万円

2017年のシャンペインS(米GI)の勝ち馬でスプリント路線で6歳までタフに走り続けました。昨年話題になった「レース中噛みつき事件」を起こした馬でもあります。

2歳時のシャンペインS以降はGIには縁がありませんでしたが、重賞9勝を積み上げており、早熟性とタフネスを兼ね備えていると判断できるでしょう。

血統面では、ボトムラインを介した牝馬インブリード(Tamerettの5×6)が最大の特徴でしょう。牝馬インブリードを軸に考えると、Tamerettの母Mixed Marriageから出たエタン(Atan)、Tamerettの祖母Persian Maidから出たDance Spellの血を持っている種牡馬が配されていると良いでしょう。前者はネオユニヴァース、後者はエンドスウィープです。難点はどちらとも遠すぎて血統表では確認できないことでしょうか…

もう少しテクニカルに寄せるなら母My Every Wishの父Danzig子孫×Fappiano子孫をMr.Prospector系と読み換えて、父と母父の関係が逆のDistorted Humorアグネスデジタル、もう少し拡大解釈するならMr.ProspectorFappiano)子孫と配合された

グラスワンダー(Roberto子孫×Danzigの組み合わせを持つ)なども候補に挙がります。

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↑はUnbridledの3×4を作りつつ、祖母Mille Lacsを刺激する配合です。

仕上がり早でコンスタントに使える産駒が揃えられれば、地方競馬でのサウスヴィグラスのような存在になれるでしょう。

レックススタッド

ブルドッグボス(byダイワメジャー

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血統表

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種付け料:受胎条件80万円

中央から地方に所属を変え、長く活躍したダートスプリンターです。

中央でOP3勝を挙げた後、見切りをつけて地方移籍、移籍後にJBCスプリント制覇を達成しました。引退レースでも勝利しており、余力を持って引退という印象を残しました。

種牡馬としては初年度種付けが24頭と寂しい限りですが、Northern Dancerの母Natalmaを過剰に抱えていることから近親交配を嫌って敬遠されているのではないかと考えます。父母父、母父に2本、祖母父にもNatalmaが入っており、Northern Dancerを抱えがちな日本の繁殖牝馬にはやや濃いインブリードと考えるのかもしれません。

Gone Westを筆頭としたMr.Prospector種牡馬を挿入すれば過剰なインブリードも避けられます。サンデーサイレンスの3×3に目をつぶるなら、ネオユニヴァースマンハッタンカフェ牝馬との配合も良いと考えます。

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ただ、現実とは非情なもので、↑のような配合がなされているので、Natalmaを抱えすぎているか否かではなく、純粋な馬の知名度のような気もします。

 

タニノフランケル(by Frankel)

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血統表

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GI7勝の名牝ウォッカの仔で、2019年の小倉大賞典2着馬です。

「生まれたときから種牡馬になることが決まっていた」と紹介されていましたが、引退間際のゴタゴタは記憶に新しいところで、SNSでも精力的に活動されている有名馬主さんが助け舟を出すところだった馬でもあり、決して良い印象でのスタッドインではありませんでした。また、爆発的な瞬発力を備えていた母と比べ、じり脚で位置取り勝負だった印象は否めず、サンデーサイレンスの子孫が持つ瞬発力が一般化した今、欧州の名種牡馬の血が優位性を保っている状況ではありません。活躍産駒を出すにはサンデーサイレンス子孫の種牡馬との配合が必須となるでしょう。

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ディープブリランテRivermanインブリードを狙いつつ、トニービントウショウボーイの持つ持続力を強調する配合です。打率は出ないでしょうが、長打で天井が高いことをアピールしなければ同父のモズアスコット、父全弟のノーブルミッションに需要を掬われてしまいます。厳しい戦いになるでしょうが、頑張ってほしいですね。

 

ゴールドドリーム(byゴールドアリュール

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血統表

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種付け料:受胎条件150万円

2017年のダート統一王者です。4歳で王座統一を成し遂げる能力と、3歳から7歳まで前線で戦い続けるタフさを兼ね備えていました。

血統面で強調できるのはボトムラインを介した牝馬インブリードです。しかも全世界的な良血グループのThong牝系のインブリードのため、非常に芸術点が高いです。

配合では3代母Statisticを刺激できるジェイドロバリー、父ゴールドアリュールの成功パターンを踏襲できるWoodmanとRoberto子孫を備える牝馬Woodmanの代用はSeeking the GoldMiswakiと比較的利くため、マイネルラヴDubawiブラックタイアフェアーといった種牡馬にRoberto子孫を掛け合わせた配合を持つ牝馬でも成立しうるでしょう。フレンチデピュティに相性の良いディープインパクトフジキセキも、サンデーサイレンスの3×3を許容できるのであれば有力です。

 

 

以上、種牡馬展示会考察・JBBA・アロースタッドレックススタッド編でした。