こんにちは。高津です。
今回は23頭の種付け・9頭の産駒出生があったキタサンミカヅキについて、考察していきます。
※アイコン写真は『キタサンミカヅキ(Kitasan Mikazuki) - 優駿スタリオンステーション種牡馬展示会2021 - YouTube』より転用しています。
種牡馬データ
2010年5月10日生
門別・弘中稔氏生産
繋養先:新冠・優駿スタリオンステーション
種付け料:受胎条件20万円(フリーリターン特約)、誕生条件30万円
血統(配合種牡馬)
父:キングヘイロー→ダンシングブレーヴ→Lyphard→Northern Dancer→Neactic→Nearco
母:キタサンジュエリー
母父:サクラバクシンオー→サクラユタカオー→テスコボーイ→Princely Gift→Nasrullah→Nearco
祖母父:アーテイアス→Round Table→Princequillo→Prince Rose→Rose Prince→Prince Palatine→Persimmon→St.Simon
三代母父:バーバー→Princely Gift→Nasrullah→Nearco
四代母父:パーソロン→Milesian→My Babu→Djebel
ファミリーライン
4代母タケユタカは3戦1勝の成績を残した日本産馬です。その仔にはカネユタカオー(地方重賞5勝)がいます。
3代母パーセントは32戦5勝の成績を残した日本産馬です。その仔にはキタサンクイン('87 東京プリンセス賞3着・D1800m・地方重賞、産駒に'96 小倉3歳S2着のキタサンフドー、'01 ニュージーランドトロフィーのキタサンチャンネル、'01 ファンタジーSのキタサンヒボタン)がいます。
祖母キタサンコールは8戦2勝の成績を残した日本産馬です。その仔にはキタサンシーズン('98 埼玉新聞杯・D1900m・地方重賞)、キタサンモガンボ('02 エトワール賞2着・D1000m・地方重賞)。
母キタサンジュエリーは5戦1勝の成績を残した日本産馬です。キタサンミカヅキ以外にはトップザバード('14 佐賀皐月賞2着・D1800m・地方重賞)がいます。
牝系は22族に属しています。昭和の最初期に下総御料牧場によって導入された"下総御料牧場の輸入基礎牝馬"に遡れる由緒ある牝系です。反面、海外の同牝系に属するGI馬とはかなり昔に分岐しており、近い枝の活躍馬は日本に限定されています。遠くは芝での活躍馬が出ていますが、時代を下るごとにダートに転化してきている印象です。
同配合馬
Lyphard系種牡馬×母父PrincelyGift系種牡馬の組み合わせからは、エリモシック(父ダンシングブレーヴ×母父テスコボーイ、'97 エリザベス女王杯・T2400m・GI)が出ています。
意外なことに、該当馬は1頭でした。しかも距離的には中長距離で実績を挙げて、祖母父にPago Pagoを持つ血統表のイメージからは離れた産駒を送り出しています。テスコボーイがマイルから中距離を本領とする産駒を多く出したことから、そちらに寄った産駒がエリモシックなのかもしれません。
戦績
2013年(3歳)8戦1勝 未勝利
2014年(4歳)9戦2勝 500万下、1000万下
2015年(5歳)14戦1勝 1000万下
2016年(6歳)6戦2勝 初春S(1600万下)、京葉S(OP)
2017年(7歳)8戦2勝 アフター5スター賞(地方重賞)、東京盃(JpnII)
2018年(8歳)9戦3勝 プラチナC(地方重賞)、アフター5スター賞(地方重賞)、東京盃(JpnII)
2019年(9歳)6戦2勝 東京スプリント(JpnIII)、アフター5スター賞(地方重賞)
キャリア計 60戦13勝
美浦・古賀史生厩舎、船橋・佐藤賢二厩舎で現役生活を送りました。
中央ではOP競走勝ちを記録して地方に転出していきました。映像を見る限りではキャリアを通してゲートの出や初速に不安を抱えていたようで、根っからの差し・追込馬ではなく、ゲートが成功した際は先行ポジションで競馬をしています。ポジション取りの失敗で2着3着をよく記録していました。頭の高い走りは父譲りに映ります。ゲート難がなければサクラバクシンオー譲りの馬力ももっと見せた競走馬だったのではないでしょうか。
考察
組み合わせ論的にはMill Reefとそれに近い血統構成を持つRivermanが第一に挙がります。次いでSecretariat、Seattle SlewなどのBold Ruler子孫、最後にHyperion、特にAureoleを経由した血統は相性が良さそうです。
総論に次いで、実馬を挙げていきます。
netkeibaではまだ産駒が登録されていないので、少し見にくくなります。申し訳ありません。
ガールズの2021 競走馬配合シミュレート|競馬データベース - netkeiba.com
社台グループが輸入したクレアーブリッジを基礎輸入牝馬とする牝系に属する馬です。3代母の産駒にサクラメガワンダー('09 金鯱賞)、サクラアンプルール('14 札幌記念)がいます。
グローリアスダイナの2021 競走馬配合シミュレート|競馬データベース - netkeiba.com
3代母の産駒にジャングルポケットがいる牝系です。近親に活躍馬がいないのが気になりますが…
ラヴァンタージュの2021 競走馬配合シミュレート|競馬データベース - netkeiba.com
明治期に輸入されたフロリースカップに遡れる土着の牝系に属しています。4代母は重賞を制しており、祖母は中央4勝、母地方7勝など悪くありません。
クライオブザソウルの2021 競走馬配合シミュレート|競馬データベース - netkeiba.com
3代母の孫にはローレルゲレイロ('09 春秋スプリントGI)、リキサンマックス('11 きさらぎ賞2着)のキングヘイロー産駒の全きょうだいがいる牝系に加えて、サクラハゴロモ≒アンバーシャダイの全きょうだいクロスを持っています。母こそ未勝利ですが、祖母の産駒は大半が勝ち上がっています。
リリーオブザバリーの2021 競走馬配合シミュレート|競馬データベース - netkeiba.com
キングヘイロー≒バブルガムフェローの近似インクロスが成立する凝った配合です。3代母はNasrullah×Hyperionの底力を補強してくれる組み合わせを持ちます。Princely Giftのインクロスが柔らかさとスピードを遺伝させてくれることを期待したいです。
次に、3親等内に活躍馬のいる産駒を列挙します。
キタサンナデシコの2021 競走馬配合シミュレート|競馬データベース - netkeiba.com
3代母伊GII勝ち
トーコーユズキの2021 競走馬配合シミュレート|競馬データベース - netkeiba.com
3代母仏リステッド3着
ダイリュウキセキの2021 競走馬配合シミュレート|競馬データベース - netkeiba.com
3代母伊GII勝ち、母父ファスリエフはHyperionとMill Reefの父Never Bendを内包