こんにちは。高津です。
今回は20頭の種付け・13頭の産駒登録がなされたシゲルカガについて、考察していきます。
※アイコン写真は『シゲルカガ(Shigeru Kaga) - イーストスタッド種牡馬展示会2021 - YouTube』より転用しています。
種牡馬データ
2011年4月1日生
荻伏・馬道繁樹氏生産
繋養先:浦河・イーストスタッド
種付け料:受胎条件30万円(フリーリターン特約)、誕生条件50万円
血統(配合種牡馬)
父:パイロ→Pulpit→A.P.Indy→Seattle Slew→Bold Reasoning→Boldnesian→Bold Ruller→Nasrullah→Nearco
母:アレグレッツァ
母父:シャンハイ→Procida→Mr.Prospector→Raise a Native→Native Dancer
三代母父:キングスベンチ→Court Martial→Fair Trial→Fairway→Phalaris
四代母父:パールダイヴァー→Vantellor→Vatout→Prince Chimay→Chaucer→St.Simon
ファミリーライン
4代母ハトウは36戦2勝の成績を残した日本産馬です。その仔には目立った産駒はいません。
3代母ヒトミフラッシュは9戦1勝の成績を残した日本産馬です。その仔にはマツノカチドキ('83 桜花賞・T1600m・GI)、トミアルコ('86 ダービーグランプリ・D2000m・地方重賞)、トミシャーク(産駒に地方重賞3勝のサンドリーズン)がいます。
祖母トミアルコは16戦6勝の成績を残した日本産馬です。その仔には目立った産駒がいません。
母アレグレッツァは30戦3勝の成績を残した日本産馬です。シゲルカガ以外には目立った産駒はいません。
牝系は9族に属しています。オーストラリアから輸入されてきた系統です。1世紀以上前に分岐した枝からはオーストラリアでGI馬が出ていますが、繁栄度は高いと言えない分岐と言えます。
同配合馬
A.P.Indy系種牡馬×Mr.Prospector系牝馬の組み合わせからは、Mr Speaker(父Pulpit×母父Unbridled、'14 ベルモントダービー招待S・T10F・米GI)、Tapit(父Pulpit×母父Unbridled、'04 ウッドメモリアルS・D9F・米GI)が出ています。
インカンテーションでも解説しましたが、米国で発展している大父系同士であり、組み合わせ馬は非常に多く存在します。シゲルカガの父系祖父に当たるPulpitも母の父にMr.Prospectorを持っており、この組み合わせはMr.Prospectorのインクロスを作り出すことになります。
戦績
2013年(2歳)6戦2勝 新馬、ヤマボウシ賞(500万下)⑤、かえで賞、兵庫ジュニアGP(JpnII)④、クリスマスローズS(OP)②
2014年(3歳)7戦1勝 クロッカスS(OP)④、葵S(OP)②、さくらんぼ特別(1000万下)、醍醐S(1600万下)③
2015年(4歳)9戦3勝 山城S(1600万下)、千葉S(OP)、東京スプリント(JpnIII)②、北海道スプリントC(JpnIII)
2016年(5歳)5戦0勝
2017年(6歳)11戦0勝
2018年(7歳)9戦8勝 地方C2~C1級(岩手)
キャリア計 47戦14勝
栗東・谷潔厩舎、川崎・鈴木義久厩舎、盛岡・櫻田康二厩舎で現役生活を送りました。
それなりに現役時代を知っている馬で、オープンになってから初めてダートを試したと記憶していたのですが、2歳のうちからダートは試していて、地方ダートへの適性も確認されていたことを知りました。
逃げなければ二束三文を地で行く競走馬で、逃げられたときはそれなりに粘って見せた一方、ハナを奪われれば安値を売るというわかりやすい競走馬でした。そのため、重賞初制覇を境に急に粘りを失った後は崖を下るように成績を下げていきました。
最後にたどり着いた盛岡での8連勝は、重賞馬としての最後の意地だったでしょうか。
考察
Mr.Prospectorの子孫を内包する馬との相性は、A.P.Indy~シニスターミニスター分岐と同様に良好で、PulpitはBlandfordやRiverman、Djebelといった"重い血統"との親和性を見せました。パイロはHail to Reasonと相性がいい印象で、日本で優勢な系統です。
インクロスはMr.Prospectorの濃度を考慮に入れる必要があるでしょう。Icecapedのインクロスを作れるクロフネ、バランスブリーディング的なインクロスが作れるワイルドラッシュ・トランセンド親子がよく映ります。シニスターミニスター分岐と比較して内包例が増えたNijinskyに着目するなら、ダンスインザダーク、スペシャルウィークにも妙味がありそうです。
総論に次いで、実馬を挙げていきます。
オペラシーズンの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
日本の誇る名牝系パロクサイド系に属する馬です。祖母父にサンデーサイレンスがおり、相性が良さそうですが、Mr.Prospectorの4×5・4×5の多重クロスがダートに適性を傾けそうです。
次に、3親等内に活躍馬のいる馬を列挙します。
シゲルチャグチャグの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
母'14 もみじS3着
トシチャンの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
半兄モリデンブラック(地方重賞勝ち)
ミズホユウセイの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
3代母ナカミサファイヤ('80 新潟記念)
シゲルオワリの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
3代母ロジータ(地方重賞8勝)
シゲルシュサの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
3代母米リステッド勝ち
シゲルメジロザメの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
3代母ザラストワード('91 銀嶺S3着)
シゲルパンダの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
3代母マザートウショウ(GIII3勝)