こんにちは。高津です。
自分で買い付けてきた馬に自分で所有している牝馬を配合する…
これは「リアルダビスタ」と呼ばれる偉業ですが、それを海外産馬を買い付けて成し遂げるために輸入された種牡馬を紹介します。
今回は34頭の種付け・26頭の産駒登録がなされたマクマホンについて、考察していきます。
※アイコン写真は『2017.05.21 Derby Italiano - Mac Mahon - YouTube』より転用しています。
種牡馬データ
2014年5月2日生
イタリア・Massimiliamo Porceli氏生産
繋養先:新冠・白馬牧場
種付け料:プライベート
血統(配合種牡馬)
父:Ramonti→Martino Alonso→Marju→Last Tycoon→Northern Dancer→Nearctic→Nearco
母:Miss Sultin
母父:Celtic Swing→Damister→Mr.Prospector→Raise a Native→Nearctic→Nearco
祖母父:Caerleon→Nijinsky→Northern Dancer→Nearctic→Nearco
三代母父:Sadler's Wells→Northern Dancer→Nearctic→Nearco
四代母父:Luthier→Klairon→Clarion→Djebel
ファミリーライン
4代母Jalapaは6戦2勝の成績を残したフランス産馬です。現役時代には'77 ノネット賞(GIII)3着の成績があります。その仔にはSatin Pointe('90 レゼルヴォワール賞3着・T1600m・GIII)がいます。
3代母Satin Pointeは4戦1勝の成績を残したイギリス産馬です。その仔にはDedi Boy('99 Premio Campobello・T1800m)、Miss Caerleon('01 Premio Baggio3着・T2000m・Listed)がいます。
祖母Miss Caerleonは15戦2勝の成績を残したイギリス産馬です。その仔にはMiss Sultin('08 Premio Baggio3着・T2000m・Listed)がいます。
母Miss Sultinは21戦3勝の成績を残したアイルランド産馬です。マクマホン以外には目立った仔はいません。
牝系は16-a族に属しています。8代母Hostilityの分岐からはトーホウジャッカル、エーシンフォワードが出ていますが、かなりの遠縁になります。各代の母たちはリステッド競走で入着しており、活発さはそれなりと言えそうです。
同配合馬
トライマイベスト系種牡馬×ミスタープロスペクター系牝馬の組み合わせからは、サトノクラウン(父Marju×母父Rossini、'17 宝塚記念・T2200m・GI)、Dark Angel(父Acclamation×母父Machiavellian、'07 ミドルパークS・T6F・英GI)、Mehmas(父Acclamation×母父Machiavellian、'16 ジュライS・T6F・英GII)が出ています。
戦績
キャリア計 10戦5勝 伊ダービー(GII)、カタールダービー(ローカルGI)、エマヌエーレ・フィリベルト賞(Listed)
イタリアのステファノ・ボッティ厩舎に所属しました。日本では「トーセン」冠の島川隆哉オーナーの持ち馬でした。
エマヌエーレ・フィリベルト賞をステップにイタリアダービーを圧勝。勇躍フランスに遠征してパリ賞典に挑戦しますが、8着に敗退。イタリア帰国初戦のフェデリコテシオ賞(GII)を3着、ローマ賞(GII)を2着と好走し、カタールダービーで久しぶりに勝利を挙げ、カタール国際競走のHHアミールトロフィー4着で現役を終えたようです。
勝利したエマヌエーレ・フィリベルト賞
8着に敗退したパリ大賞
3着だったフェデリコテシオ賞
2着だったローマ賞
現役最終戦と思われるHHアミールトロフィー(4着)
多頭数でのレースの資料が残っていませんのではっきりとしたことは言えませんが、中団からの末脚勝負が本質の馬だったように映ります。イタリアダービーの勝ちっぷりから、中距離以上で力を発揮するタイプだったと理解できます。
考察
5代血統表を見てみると、Try My Best=El Gran Senor、Nijinsky、Sadler's WellsとNorthern Dancerの血が多く挿入されており、それらの系統と和合性の高いKingmambo、Danehill、Storm Cat、Mill Reef≒Rivermanあたりとは相性が良さそうです。また、近似形のインクロスを重視する見方に立てば、Caerleon×Sadler's Wellsはフサイチコンコルドと同じ組み合わせであり、その血を持つ牝馬と掛け合わせるのも面白みがあります。
組み合わせ論で見ると5代内でHyperion、Blandfordの血を持つ馬に活躍馬が出ていますので、前者の種牡馬としてハーツクライ、ジャングルポケットなどのトニービンを内包する種牡馬、後者にはバゴ、ディープインパクト、ブラックタイドなどが挙げられます。これらの種牡馬が母父で入っていると楽しみが増しそうです。
次に、3親等内に活躍馬のいる馬を列挙します。
ガールズトークの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
おじクラフトワーク('05 AJCC)、半姉トーセンナチュラル('15 スイートピーS2着)、祖母父父Mill Reef
サクラレディの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
祖母独リステッド勝ち
シーブリーズラブの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
おじフルーキー('15 チャレンジC)、マンオブスピリット('20 京都新聞杯2着)
スタイルアンドクラスの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
祖母英GI勝ち、祖母父にForli~Hyperionの血が挿入
トーセンヴェールの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
トーセンエポックの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
おばトーセンハルカゼ('18 オーバルスプリント3着)、母父キングカメハメハ~Kingmambo
トーセンオーキッドの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
トーセンシャイニーの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
3代母仏リステッド勝ち
トーセンベニザクラの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
母'12 フェアリーS勝ち、3代母パルセイト(サンスポ4歳牝馬特別3着)
トーセンミルキーの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
祖母ピンクパピヨン(スイートピーS3着)、3代母北米リステッド勝ち
トーセンレディの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
3代母米GI2勝
ペナンクライの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
祖母英リステッド勝ち
メモリーリングの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
おじブレイブスマッシュ(豪GI2勝)、母父父ディープインパクト
ライブインベガスの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
3代母米リステッド勝ち
トーセンオマージュの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
3代母コスモローマン(’90 函館記念3着)
トーセンキャッスルの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
3代母北米リステッド勝ち
トーセンソレイユの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
母'13 エルフィンS勝ち
トーセンハピネスの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
3代母米GI勝ち
トーセンビレッタの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
祖母フェザーマイハット('89 TV東京3歳牝馬S3着)
トーセンロザリオの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
おば英愛GI3勝
ファストカラーの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
祖母ファストフレンド(DG競走9勝)
ユーキャンゴーゴーの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
祖母独リステッド勝ち
以上、2022年新種牡馬:マクマホン編でした。