こんにちは、高津です。
今回は2022年新種牡馬シリーズを離れて、現役の種牡馬について考察をします。
お題は、ダートで勝ち上がって芝のGIを制したアジアエクスプレスです。
「促さないと前に進もうとしない」と鞍上が嘆息交じりにコメントしたオキザリス賞に豪脚見せた朝日杯FS、その後日本人騎手に替わって、動かし切れなかった"アジアの超特急"にアプローチします。
基本情報
2011年2月9日生
米国・Ocala Stud生産
種付け料:受胎条件(フリーリターン特約)60万円(2017-18)→120万円(2019-20)→150万円(2021-)、誕生条件90万円(2017-18)
血統情報
出典:血統情報:5代血統表|アジアエクスプレス(USA)|JBISサーチ(JBIS-Search)
父:ヘニーヒューズ→ヘネシー→Storm Cat→Storm Bird→Northern Dancer→Nearctic→Nearco
母父:Running Stag→Cozzene→Caro→Fortino→Grey Sovereign→Nasrullah
祖母父:Notebook→Well Decorated→Raja Baba→Bold Ruler→Nasrullah
三代母父:Deputy Minister→Vice Regent→Northern Dancer→Nearctic→Nearco
四代母父:Affirmed→Raise a Native→Native Dancer
配合傾向
祖父・ヘネシーの場合
ヘネシーは8頭のGI勝ち馬を送り出していますが、半数にあたる4頭がNijinskyの血を持っています。また、Nasrullah×HyperionとHyperionの血を持つ馬がそれぞれ1頭ずつおり、それ以外の3頭は母父にスタミナと底力をもたらすPrincequilloの系統、アグネスデジタルの父として知られるCrafty Prospector、スタミナ豊かな産駒が多いことで知られるリアルシャダイを持っていました。
父・ヘニーヒューズの場合
ヘニーヒューズはJpnIを含めて5頭のGI級勝ち馬を出しています。5頭の共通点を探してみると、3頭がHail to Reason(2頭はサンデーサイレンスを経由)の血を持っており、2頭はCozzene、2頭がFappianoの血を持っていました。
アジアエクスプレスの現状
初年度産駒が3歳になったばかりではありますが、地方重賞を含めて重賞勝ち馬は3頭います。その三頭共にDanzigの血を持っており、これが現状ニックスといえそうです。
考察
父と祖父の傾向、自身の現状を踏まえると、組み合わせ論的には以下のような条件が挙げられます。
・Nijinskyの血を持つ
・Danzigの血を持つ
・Hail to Reasonの血を持つ
・Fappianoの血を持つ(Princequillo持ち?)
ほかにも母父にPrincequilloが入っているフレンチデピュティとその産駒のクロフネ、リアルインパクトなどがよさそうですが、ダート色、短距離色が強くなると見ています。
Hail to Reasonはサンデーサイレンスを通していなくても活躍馬が出ていることから、Robertoの子孫・ブライアンズタイムやシンボリクリスエスも該当します。Nijinsky持ちにはタイキシャトル、Danzig持ちならグラスワンダーと、親和性が高い血統が多く、可能性に満ちているように映ります。
注意点はアジアエクスプレス自身がRaja Babaを持っており、ダート産駒が非常に出やすいことでしょうか。Well Decoratedを母父に持っていたエアシャカールや、母父ロイヤルスキー→Raja Babaの形で内包していたアグネスフライトなど、上級産駒に早枯れは見られますが、条件戦を戦うレベルならクラスの壁の方が大きいというのが私の意見です。地方競馬で勝っているところを見ると、起伏の少ないコースが合うと見ます。
母父CozzeneというとイスラボニータやPivotal、Way to Parisなどが思い浮かびますが、1代遡ったCaroからはUncle Mo→Nyquistのラインが伸びていますし、Running Stagの産駒はダート向きに偏っています。それに先述のRaja Babaを加えると、芝馬が出てきそうなイメージはあまり沸きません。
まとめ
まとめると、アジアエクスプレス産駒は平坦ダート向きに出そうで、4つの血統条件を持つ馬が走ってきそうだと言えそうです。
馬券作戦にはあまり役立たないかもしれませんが、POG指名でダート路線で1-2勝を稼いでくれる馬が欲しい場合に上の条件を満たす馬を入れてみるのはいいかもしれませんね。