Dancin' on a Daily Basis

モットーは「(知識の)レベルを上げて物理で殴れ」。趣味ブログといいながらほぼ競馬のみ。そんなブログ。

2022年新種牡馬:サトノクラウン

こんにちは。高津です。

また間を明けての更新になってしまいました。

私が入会しているユニオンオーナーズクラブでは、募集馬のラインナップが公表され、ついに新たなシーズンの幕開けという雰囲気が漂ってきました。それに合わせるわけではありませんが、2020年生まれが初年度産駒となる種牡馬を1頭ずつ考察していく"2022年新種牡馬"シリーズをスタートします。

今回は、最多207頭の種付け・123頭の産駒登録がなされたサトノクラウンについて、考察していきます。

※アイコン写真は『社台スタリオンパレード2021-Vol.2(新種牡馬以外23頭) - YouTube』より転用しています。

 種牡馬データ

2012年3月10日生

安平・ノーザンファーム生産

繋養先:胆振社台スタリオンステーション

種付け料:受胎条件100万円

 

血統(配合種牡馬

父:MarjuラストタイクーントライマイベストNorthern DancerNearcticNearco

母:ジョコンダ2

母父:RossiniMiswakiMr.ProspectorRaise a NativeNative Dancer

祖母父:VettoriMachiavellianMr.ProspectorRaise a NativeNative Dancer

三代母父:Persuit of LoveグルームダンサーBlushing GroomRed GodNasrullah

               →Nearco

四代母父:High TopDerring-DoDariusDanteNearco

 

ファミリーライン

ジョコンダ2は2003年産の愛国産馬で、8戦2勝の実績を残しました。現役時代のハイライトは2005年のシルケングライダーS(T8F・Listed)での勝利と、キラヴランS(T7F・GIII)での3着でした。初仔ジョリージョコンドは2008年生であることから、リステッド競走勝ちでブラックタイプを得て、3歳半ばでキャリアを切り上げたと考えられます。

初仔ジョリージョコンドMarju)は10戦1勝の成績を残し、競走馬として大成することはできませんでしたが、2010年のタイロスS(T7F・GIII)で3着に入るなど、ブラックタイプを得ています。母としては2017年の札幌2歳S(T1800m・GIII)2着のファストアプローチ父Dawn Apperoach)を送り出しています。

第2仔ライトニングパールMarju)は7戦3勝の成績を残し、2011年のチヴァリーパークS(T6F・GI)とラウンドタワーS(T6F・GIII)を制しました。また、母として2018年のアサシS(T7F・GIII)を勝ったLightning Quick父Frankel)を送り出しています。

第3仔、第4仔は大成なりませんでしたが、第5仔がサトノクラウンです。その後の兄妹たちには2020年の札幌日経S(T2600m・Listed)を勝ったポンデザールハーツクライ)や、2020年の青葉賞(T2400m・GII)3着のフィリオアレグロディープインパクト)がいます。

母を遡ると、4代母のPatoが1985年のギャロビーS(T10.5F・Listed)で2着の成績を挙げているほかは、目立った成績は残っていません。

 近年の繁栄度が高く、勢いのある牝系と言えます。

同配合馬

トライマイベスト種牡馬×母父Mr.Prospector牝馬の組み合わせからは、本馬のほかに2021年のNzT5着馬のシュバルツカイザーの父Dark Angel父Acclamation×母父Machiavellian、'07 ミドルパークS・T6F・GI) 、オーストラリアのダービーと言える2歳GIの勝ち馬Capitalist父Written Tycoon×母父Fusaichi Pegasus、'16 ゴールデンスリッパーS・T1200m・GI)が出ています。

 

 

戦績

2014年(2歳)2戦2勝 新馬戦、東スポ杯2歳SGIII

2015年(3歳)4戦1勝 弥生賞GII)、日本ダービーGI)③

2016年(4歳)5戦2勝 京都記念GII)、香港ヴァーズGI

2017年(5歳)6戦2勝 京都記念GII)、宝塚記念GI)、天皇賞・秋GI)②

2018年(6歳)3戦0勝

キャリア計  20戦7勝

 現役時代は美浦・堀宜行厩舎で競走生活を送りました。

厩舎の同期にはクラシック二冠馬ドゥラメンテ、同門の先輩にマイル・中距離の2階級王者モーリス、3歳と7歳でGIを制覇したタフガイリアルインパクト、香港でGIを制したネオリアリズムがいます。早くから才能は示したものの、国内の相手関係に苦しめられた印象です。初GIは国外で達成する、「田んぼ馬場」と呼ばれた2017年の天皇賞・秋での2着など、高速馬場より中速~低速の馬場を得意としました。

ピークは香港ヴァーズを勝利した4歳末~天皇賞・秋2着の5歳秋までと考えられますが、ピークアウトに加えて田んぼ馬場の負荷が厳しかったと考えられます。

 6000万円余りで取引されて、5億円近い賞金を稼ぎ出した、立派な孝行馬です。

 

考察

父系はトライマイベストを経由したNorthern Dancer系で、Marjuは1988年生まれと古い血統であることは否めません。しかし、トライマイベストワージブRoyal ApplauseAcclamationと繋がった別分岐からは、同配合馬で挙げたDark Angel、昨年走り出した初年度産駒の勝ち上がり数が素晴らしいMehmasが出ています。ほかにラストタイクーンがオーストラリアで出したIglesiaから繋がるWritten TycoonCapitalistのラインも息づいており、大々的に流行して勢力を保つSadlers WellsDanzigといった"大分岐"と比較すると地味ではありますが、先鋭化しながら血を繋いでいます。

先鋭化とは短距離種牡馬化であり、2歳短距離戦王国オーストラリアでの定着、Dark AngelMehmasの競走実績に、全姉のライトニングパールの実績を見れば明らかです。

翻って考えると、中長距離路線でGI勝ち鞍を得た本馬の実績が"外れ値"であり、ファルブラヴのように中長距離実績を持ちながら、産駒は短距離向き、というパターンの可能性も十分に考えられます。ファルブラヴも同父系の別分岐(Encosta de LagoNorthern Meteor)がオーストラリアで定着・成功していることも、この論の補強になるでしょう。

また母父Rossiniは6F路線の重賞2勝馬で、スピード系に映ります。

ノーザンファーム配合馬を見てみると、バレークイーン牝系に属し、現役時代は中距離での勝ち鞍を持つアソルータや、ブラックエンブレムの仔オーロラエンブレム、2021年ダイヤモンドS(T3400m・GIII)勝ちのあるグロンディオーズの母シェリールを配しており、王道種牡馬としての扱いが伺えます。

まとめると、短距離指向の強い血統の中、異端児的に中長距離を制した馬であり、祖父の貫通遺伝か、本人の資質が遺伝するか、というギャンブル的要素の強い種牡馬といえそうです。

 

以上、2022年新種牡馬サトノクラウン編でした。