今回はポアゾンブラックとその産駒について考察していこうと思います。
※アイコン写真は『アロースタッド種牡馬展示会 https://youtu.be/Mf0F72s3vKo』より転用しています。
種牡馬データ
2009年3月31日生
門別・出口牧場生産
種付け料:受胎条件20万円、誕生条件30万円
血統(配合種牡馬)
父:マイネルラヴ→Seeking the Gold→Mr.Prospector→Raise a Native→Native Dancer
母:サンライトチーフ
母父:チーフベアハート→Chief's Crown→Danzig→Northen Dancer→Nearctic→Nearco
祖母父:スルーザドラゴン→Seattle Slew→Bold Reasoning→Boldnesian
三代母父:クラウンドプリンス→Raise a Native→Native Dancer
四代母父:シプリアニ→Never Say Die→Nasrullah→Nearco
ファミリーライン
遡っていくとチャッターボックスという1924年生のイギリス産馬に行きつく輸入の古い牝系です。5代母ミススウィフトの産駒にバトラー(父シプリアニ、'67 全日本3歳優駿・川崎D1600m)や、4代母シユウエイホープの産駒にシバリッキー(父タニノチカラ、'84 阪神障害S・障3200m←阪神ジャンプSの前身レース)がいる程度で、地味な牝系といえます。
同配合馬
父Seeking the Gold系種牡馬×母父Danzig系牝馬の組み合わせは、本馬のほかにゴールドティアラ(父Seeking the Gold、母父Chief's Crown、'00 マイルCS南部杯)、マクフィ(父Dubawi、母父Green Desert、'10 2000ギニー・英T8.0F)、Poet's Voice(父Dubawi、母父Chief's Crown、'10 クイーンエリザベスII世S・英T8.0F)、Lucky Nine(父Dubawi、母父Green Desert、'11 香港スプリント・沙田T1200m)が出ています。
アメリカを基盤としたMr.Prospectorの系統の中で、ヨーロッパに「適合」した最初期の種牡馬で、そこからDubai Millenium→Dubawiと父系は紡がれ、モンテロッソやマクフィといった輸入種牡馬が生まれています。
Danzigもアメリカ生まれの種牡馬ですが、早期にヨーロッパにシフトしていった系統で、遭遇するには世代を要した印象です。
戦績
2011年(2歳)3戦3勝 ファーストトライ、2歳一般戦、園田ジュニアC
2012年(3歳)5戦2勝 3歳一般戦、菊水賞、兵庫ダービー②
2013年(4歳)7戦2勝 橿原S(1600万下)、春雷S
2014年(5歳)6戦2勝 山科S(1600万下)、エニフS、マイルCS南部杯②
2015年(6歳)10戦1勝 北海道スプリントC②、グランシャリオ門別スプリント、
2017年(8歳)2戦2勝 一般戦、道営スプリント
キャリア計 33戦12勝
兵庫県競馬組合でキャリアをスタート、兵庫三冠の1冠を奪取、ダービーが終了したところで認定資格を利用して中央に転入しました。賞金を持っている状態での転入だったため、1600万下への編入でしたが、4戦目で見事突破。
4歳春には芝のスプリント戦のリステッド競走を制しましたが、クラス再編で降級。明け5歳の冬に再度勝ち上がり、秋には再度リステッドを勝利、勇躍JpnIへ挑戦し、大健闘の2着。以降は苦戦が続き、6歳の夏を前にホッカイドウ競馬に活動の場を移します。中央時代同様、交流重賞で互角の戦いを繰り広げますが、2016年春に右前脚手根骨を骨折。復帰に1年を要しますが、復帰初戦、引退レースとなった道営スプリントを連勝。大団円で種牡馬入りします。
余談ですが、ゴールドシップとは同じ牧場で生まれ、1歳ごろまで同じ放牧地で育った"幼馴染"でもあります。繋養種牡馬場は違いますが、産駒同士の配合が見れると面白いですね。
産駒ピックアップ紹介
ポアゾンブラック産駒12頭のうち、2頭をピックアップして紹介します。
モンテフォルスの2019(アストニシメント系)
エメラルドビームは2012年生まれのファスリエフ産駒で、現役時代は46戦1勝の成績を残しました。きょうだいに活躍馬はいません。
小岩井農場が輸入したアストニシメントを祖とする牝系で、三代母にファイトガリバー(父ダイナガリバー、'96 桜花賞・阪神T1600m)、その全兄にナリタタイセイ('92 NHK杯・東京T2000m)がいるほか、ほかの近親にイグゼキュティヴ(父ボストンハーバー、'08 京都2歳S・京都T2000m)、トーコーニーケ(父キングカメハメハ、'14 園田金盃・園田D1870m)
Seeking the Gold系種牡馬×Nureyev牝馬の組み合わせからは、目立った活躍馬が出ていません。
昨年の北海道セプテンバーセールにてポアゾンブラックのオーナーでもあった村上憲政さんに購買され、モンテフォルスの馬名で登録されています。栗東の寺島良厩舎で登録されています。JRAホームページの寺島良調教師の早期特例登録馬に記載がありましたので、中央デビューは間違いなさそうです。新馬戦が楽しみですね。
マンボビーンの2019(フラストレート系)
母マンボビーンは2008年生まれのスズカマンボ産駒で、現役時代は64戦で、'13 兵庫サマークイーン賞・園田D1700mほか地方重賞3勝を含む11勝の成績を残しました。きょうだいに活躍馬はいません。
小岩井農場が輸入したフラストレートを基礎とする牝系です。6代母はヤシマベッチー(父プリメロ、'54 桜花賞・阪神T1600m)、3代母はフラストメア(父アローエクスプレス、'78 京都大障害・京都障3270m)と、母の活躍が久しぶりだったことが窺われます。
Seeking the Gold系種牡馬×サンデーサイレンス系牝馬の組み合わせからは、リンゾウチャネル(父モンテロッソ、母父タヤスツヨシ、'19 ホッカイドウ三冠・門別D1600-2000)が出ています。
母仔ともに静内の岡田牧場の生産です。この岡田牧場の牧場主が、ポアゾンブラックを繋養するアロースタッドの代表にして、繋養を決めたその人です。取引情報はありませんが、個人or牧場名義で保有して、ホッカイドウ競馬の新馬戦に送り込んでくるかもしれません。開幕まで入厩情報には注意しておきたいですね。