11/22に実施されたレースのうち、新馬・未勝利戦をピックアップして振り返っていきます。
東京1R 2歳未勝利 ダート・1600m
アメリカンエール(田辺裕信騎手)は5着、トーセンパトリック(横山和生騎手)は9着でした。両馬とも、以前の振り返り登場馬です。
両馬とも発馬を決め、ある程度の位置でダートコースへ進入しました。トーセンパトリックは勢いのまま好位直後に取り付きましたが、アメリカンエールはキックバックを嫌がって首を上げ、じりじり後退していきました。直線に入って伸びを欠くトーセンパトリックに対して、外に持ち出されたアメリカンエールは脚を伸ばして5着まで着順を上げました。
アメリカンエールはキックバックが弱点とはっきりしたため、外枠発走であれば末脚が届く位置からレースを進められるでしょうし、スタート次第では逃げてしまうことが勝ち上がりへの道と見ます。
トーセンパトリックは前走で出遅れから巻き返しで脚を使った分、最後の伸びを欠きましたが、今走はスムースなレースを展開できたため、敗因を探るのは容易ではありません。他馬に気を遣う性格で、馬群での競馬が合わない、外に進路を求めている間に脚を使い切ってしまった可能性など、指摘できる要素はありますが、札幌で2着2回しているところから察するに、現状小回りコーナー4つのコースの方が合っていると考えます。
阪神1R 2歳未勝利 ダート・1200m
キンバ(富田暁騎手)は3着、インディナート(鮫島克駿騎手)は7着、ヨドノゴールド(酒井学騎手)は12着でした。キンバ、インディナートは出馬表、ヨドノゴールドは前走パドックからの選定です。
明日1Rで人気しそうなヨドノゴールド
— 高津真樹 (@MakiTakatsu) 2020年11月21日
コロンとして映るのは血統的な部分だろうけど、ちょっと腹構え余裕あったし絞れてたらいいでしょう pic.twitter.com/pHHCHXXvZN
明日キンバ走るから、鞍上松田じゃないの? って思ったから調べたら調教で落っこちて全治不明の重傷負ってたのか
— 高津真樹 (@MakiTakatsu) 2020年11月21日
秋山も調教で落ちて腰椎破裂骨折、年内休養だとか
キンバが大外枠からダッシュを利かせてハナを取り切り、粘り込みました。本馬はハナを取り切れたことが最大の好走要因と見ます。外枠で行き切るには有利な枠ではありませんでしたが、前が塞がれない状況を利して勢いをつけられました。再現性は微妙な好走、というのが私の見立てです。
インディナートも勢いをつけて先行勢の一角に位置取り、前を追いましたが、残り100mあたりで怪しくなり、最後50mは完全に止まっていました。ダート1000m戦でダッシュは利くと見ていましたが、一息入った分リセットがかかっているような印象でした。外から被された影響もあったかもしれません。
ヨドノゴールドは出ムチが入って出されていきましたが、3戦目、4戦目の馬たちに前に入られ、コーナーでは若さを出して膨らんでしまいました。未勝利戦の洗礼を受けたと見ています。前走、G前で逆転されたトーホウグロリアスも敗退しましたし、評判より時間のかかる馬なのかもしれません。
阪神3R 2歳未勝利 芝・1200m
ジャスパーゴールド(武豊騎手)は2着でした。出走表からの選定馬です。
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— 高津真樹 (@MakiTakatsu) 2020年11月21日
ジャスパーゴールドの父
出馬表を見て、乗り難しい枠に入ったなあ… というのが第一印象でした。レースは1200m戦の外枠のベスト回答といえる騎乗でした。勝ち馬が最内枠で脚を溜めてきた馬だったことが皮肉でしたが…
鞍上の扶助が小さく、パトロールビデオでは判別が難しいのですが、コーナーで外に振られながら回っていましたようで、若さを残しています。未勝利卒業にスピードは十分と改めて証明しましたし、次走改めて期待ですね。
阪神4R 2歳未勝利 芝・2000m
ロードラスター(福永祐一騎手)は6着、アルバーシャ(浜中俊騎手)は7着、アウスヴァール(藤岡佑介騎手)は8着、ワイドモンスター(西村淳也騎手)は9着でした。全頭以前の振り返り登場馬です。
アウスヴァールはまだちょっと緩いかなあ
— 高津真樹 (@MakiTakatsu) 2020年11月22日
ノヴェリストを見たことないからどうとは言えないけど、母父スぺでこの体型は緩いように映る
— 高津真樹 (@MakiTakatsu) 2020年11月22日
新馬を現地で見た同父のラストドラフトはコロンとしてかわいらしい体型してたと思うけど、それは母親からだったって認識。解説が「展開で残れた」って言ってたけどやれるんじゃないかなあ
ロードラスターは追ってから味ないんだからアウスヴァールぐらいの位置にいないと厳しかったけど、前半60.5ぐらいなら追走でいっぱいだったな
— 高津真樹 (@MakiTakatsu) 2020年11月22日
前半5Fで60.5かかって後半4Fで46.3だから、控えた馬は捕まえようと思ったら45秒台前半で上がってこないと届かないから、ナメてかかって泳がせたら余力残されて時すでにお寿司って感じだったんやろな
— 高津真樹 (@MakiTakatsu) 2020年11月22日
ワイドモンスターが出遅れた以外はスタートは平穏で、アウスヴァールは2ハロン目の加速勝負に参加、ロードラスター、アルバーシャは参加せず中位に位置取りました。ワイドモンスターは中団馬群に取り付き、そこで勝負所を迎えます。巻き返したワイドモンスターが後方まま、入りが厳しかったアウスヴァールが最初に離脱、ロードラスターは差を詰めていったものの詰め切れずに残り100m過ぎで脚が尽き、直後の馬にも交わされます。アルバーシャは目立つところがなく、エンジンがかからないままのゴールに映りました。
ワイドモンスターは出遅れに敗因が求められそうですし、アウスヴァールはまだ体が緩く、時間がかかりそうな印象です。ロードラスターはまだ長い脚を使う体力がない可能性を指摘したですね。アルバーシャは前走からズブく、ワンペースな馬と陣営からはコメントが出ていましたし、失速しにくいストライド走法を生かすには早めに踏んで行けるコーナー4つのコースが合っているのでは、と見ています。
東京5R メイクデビュー東京 芝・2000m
スケボーマン(伊藤工真騎手)は5着でした。希少なガルボ産駒に惹かれての選定です。
スケボーマン掲示板乗った?
— 高津真樹 (@MakiTakatsu) 2020年11月22日
スタート遅れたからダメかなあと思った。ペース遅かったから追いつけて、促し促しの追走だったから未勝利は微妙だけど、全くダメダメってわけでもなさそう
— 高津真樹 (@MakiTakatsu) 2020年11月22日
馬群に追い付いて脚終わる馬も少なくないから、メンバー条件騎手選んだら1つ勝つのはできると思う。こういう馬勝たせるのがオペレーションよな
発馬もゆっくりでしたが、スタート直後に何かに驚いて内側に逃避していますので、伊藤騎手はよく落馬しなかったなという感想を持ちました。ヨレるうちに馬群から離されましたが、ペースが落ち着いているうちにリカバリーできました。ゆったりとしたペースにも助けられて、芝の内めのいいところで追走でき、勝負どころでもスムースに外に持ち出されました。上位には及ばなかったものの、脚を伸ばして掲示板を確保しました。走破時計はダートかと見間違うものでしたが、相手関係を見極めて、伊藤騎手を継続起用すれば勝ち上がりは難しくないように感じました。
エイシンニーダー(北村友一騎手)は3着でした。POG指名馬です。
エイシンニーダーはあともうひと踏ん張りが利かなかった
— 高津真樹 (@MakiTakatsu) 2020年11月22日
手応えの割にはよく踏ん張ったと思う
エイシンニーダーはゲートとダッシュ良かったし、経験積んだら普通に勝ちそうな気はする
— 高津真樹 (@MakiTakatsu) 2020年11月22日
内枠で速いスタートを決めた馬のお行儀が悪く、内の馬は出ばなを挫かれました。その隙に2着馬と先行していく、漁夫の利を得た序盤でした。1000m通過が65秒を超えるスローペースで、直線も踏ん張りましたが、逃げた2着馬を捉えることはできませんでした。スローペースで芝もこなした形ですが、鞍上からは「ダートの方が合うかもしれない」とのコメントが出ていますし、血統的にはどちらに転んでもおかしくありません。勝ち上がりを目指して、ダートに目先を向けるのは悪くないと見ています。
ネフェルタリ(C.ルメール騎手)は3着でした。ユニオンBU所属馬のため選定です。
ユニオン馬が新馬で1番人気とか今年最後ちゃうか
— 高津真樹 (@MakiTakatsu) 2020年11月22日
残念2番人気でしたー
— 高津真樹 (@MakiTakatsu) 2020年11月22日
TLにネフェルタリ出資してる人いるからあんまり悪し様に言うのは良くないけど、アメファラ産駒にしては馬体迫力不足に映る
— 高津真樹 (@MakiTakatsu) 2020年11月22日
まあ外ぶん回したらな…
— 高津真樹 (@MakiTakatsu) 2020年11月22日
促されてもなかなか加速がつかず、体を使い切れていない印象を持ちました。内で揉まれるリスクを考慮して外目外目の追走でした。距離損はありましたが、勝負所で押し上げていくことが出来ましたし、合格点の新馬戦だったと見ています。同父の競走馬と変わらない、高い資質を備えていそうですが、早熟性という面では一歩譲るのかなと考えています。デビュー前も幾度かの頓挫があったようですし、使いながらの成長待ちになるのは視野に入れておく必要はありそうです。
それでも、牝馬限定に回ればあっさり勝ち上がってしまいそうな素質は感じます。
以上、11/22のピックアップ振り返り新馬・未勝利編でした。