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2021年新種牡馬:サトノアラジン

こんにちは。高津です。

 大変更新に長い間を置いてしまいました。自分で始めた企画ですが、すっかり忘れてしまいそうになっていました。

今回はサトノアラジンその産駒について考察していこうと思います。

 

種牡馬データ

2011年2月16日生

安平・ノーザンファーム生産

父:ディープインパクトサンデーサイレンスHaloHail to Reason

       →Turn-to

母:マジックストーム

母父:Storm CatNorthern Dancer

祖母父:FappianoMr.Prospector

三代母父:NijinskyNortern Dancer

四代母父:My BabuDjebelTourbillon

20世紀前半にイギリスからアメリカに渡り、発展した牝系です。三代母Water Danceは'81 ボーゲイH(米D8.5F)2着の実績があり、母マジックストームも'02 モンマスオークス(米D9F)の勝馬です。

 

日本での初仔は'08 年産のエスケープマジック父Maria's Mon) で、第2仔が'14 エリザベス女王杯(京都T2200m)を制したラキシスディープインパクト)で、本馬は日本での第3仔にあたります。

 

戦績:

2013年(2歳)3戦1勝 新馬戦、ラジN杯2歳S

2014年(3歳)7戦2勝 共同通信杯③、ゆきやなぎ賞(3歳1勝C)②、

          茶臼高原特別(3上1勝C)、九スポ杯(3上2勝C)

2015年(4歳)7戦2勝 武庫川S(3上3勝C)②、春興S(同左)、

          モンゴル大統領賞(OP)、エプソムC②、富士S

2016年(5歳)6戦2勝 ダービー卿CT③、京王杯SCスワンS

2017年(6歳)6戦1勝 安田記念毎日王冠

キャリア計  29戦8勝

 

仕上がり早のディープインパクト産駒らしく、2歳から能力を発揮しましたが、成熟はスローでした。それは3歳秋から頭角を現した全姉と共通であり、本馬の方がより晩熟の傾向は強いように感じられます。

2歳時のラジオNIKKEI杯2歳Sワンアンドオンリークラシック前哨戦では共同通信杯イスラボニータの前に敗退し、春のクラシックロードから転げ落ち、最後の一冠はトーホウジャッカルの一世一代の大駆けの前に敗れ去りました。ダービー馬、菊花賞馬は以後低迷・迷走を続けますが、皐月賞イスラボニータとは古馬マイル戦線で激突を続け、後塵を拝することになります。その屈辱を晴らすのが6歳時の安田記念の勝利でした。

戦歴から見える特徴を大雑把にまとめると、ディープインパクト産駒の中では晩熟傾向にあり、使い減りしないタフネスも備える… といったところになるでしょうか。

父系の祖父にサンデーサイレンスを持つことから、母父サンデーサイレンス牝馬との交配は2×3でリスクを伴う危険なインブリード母父がサンデーサイレンス産駒であれば3×3でリスクを抑えながらも強いインブリードを作り出すことができます。

エイシンサンディフジキセキダンスインザダークなど、サンデーサイレンスの代替として多くの種付けをこなした種牡馬の血を受ける繁殖を持つ中小牧場には、現役時代のタフネスとディープインパクト産駒のネームバリューを併せ持つ本馬で作れるクロスは魅力的に映るのではないでしょうか。

 

産駒ピックアップ紹介

サトノアラジン産駒77頭のうち、5頭をピックアップして紹介します。

 

ニシノブルームーン2019カプリッチョーサ系

ニシノブルームーンは2004年生まれのタニノギムレット産駒で、現役時代は19戦して'10 中山牝馬Sを含む6勝の成績を残しました。きょうだいに活躍馬はいませんが、母カプリッチョーサは'90 チヴァリーパークS(英T6F)を含む重賞3勝を挙げています。

日本では祖母カプリッチョーサを基礎として勢力を拡大しています。

サンデーサイレンス種牡馬×Roberto系牝馬の組み合わせからは、ディーマジェスティディープインパクト、母父ブライアンズタイム、'16 皐月賞・中山T2000m)、モンドインテロディープインパクト母父ブライアンズタイム、'19 ステイヤーズS・中山T3600m)、セダブリランテスディープブリランテ母父ブライアンズタイム、'18 七夕賞・福島T2000m)が出ています。

母は西山牧場の生産馬ですが、本馬は三石の本桐牧場の生産馬です。

1800-2200で勝利を挙げた母に、マイルから中距離を得意とした父を掛け合わせてスピードの強化を狙った配合と見ます。Alzaoの3×4のクロスが成立しています。Alzao自身は長距離馬でしたが、その父Lyphardは名マイラーでした。スタミナを残しつつもスピードをより引き出す配合に見えます。

 

シルショコラティエ2019Quill

シルショコラティエは2009年生まれのカコイーシーズ産駒で、現役時代は公営ホッカイドウ競馬で30戦9勝の成績を残しました。半弟にエムオーグリッタブラックタキシード、現役中央オープン馬※2020年10月現在)がいます。

'58 全米2歳牝馬チャンピオンのQuillを基盤に勢力を拡大する牝系の出身です。マルゼンスキーNijinsky、'76 朝日杯3歳S、顕彰馬)が出身馬の代表格です。

SS系種牡馬×Alydar牝馬の組み合わせからは、ローデッドディープインパクト母父リンドシェーバー、'15 フェアリーS2着・中山T1200m)が出ています。

母仔ともに安平のマルゼン橋本牧場生産馬です。

マニアックな方はすぐにお気づきになられると思われますが、マルゼン橋本牧場はマルゼンスキーを購入された橋本善吉さん(橋本聖子参院議員のお父様)が開設された牧場で、シルショコラティエマルゼンスキーの母シルから数えて4世代目に当たり、その産駒である本馬は5代子孫にあたります。

シルの牝系はマルゼンスキー以降超大物に恵まれていませんが、確かにその血は紡がれており、ゴウゴウキリシマキングヘイロー、'06 シンザン記念・京都T1600m)、レッツゴーキリシマメジロライアン、'10 関屋記念・新潟T1600m)の兄弟やブルーラッド父シーロ、'09 浦和記念・浦和D2000m、NAR最優秀3歳馬)など、活躍馬を送り出しています。中央オープン馬を叔父に持つ本馬も、その列に加わってくれることを期待します。

大きく見た血統構成はディープブリランテに近いと言えます。おそらくは地方競馬でのデビューになると思われますが、中央に殴り込みに来ているところを見たいですね。

 

コースティクス2019ソニンク系

母アコースティクスは2001年生まれのCape Cross産駒で、現役時代は未出走に終わりました。半弟にノットアローンアグネスタキオン、'08 若葉S阪神T2000m)、ランフォルセシンボリクリスエス、'13 浦和記念・浦和D2000m)、ノーザンリバーアグネスタキオン、'14 東京盃・大井D1200m)がいます。母としてはロジユニヴァースネオユニヴァース、'09 東京優駿・東京T2400m)を送り出しています。

ノーザンファームが輸入したソニンを基盤に日本で発展した牝系の出身で、牝系からはジューヌエコールクロフネ、'16 デイリー杯2歳S・京都T1600m)、ヴァイトブリックシンボリクリスエス、'19 兵庫CS2着・園田D1870m)、ディアドラハービンジャー、'19 ナッソーS・英9F197yd)が出ています。

SS系種牡馬×Green Desert牝馬の組み合わせからは、ロジユニヴァースのほか、アースライズマンハッタンカフェ、'15 フラワーC2着)が出ています。

母ともどもノーザンファームの生産で、G1レーシングで40万円×40口の総額1600万円で募集されています。

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写真を見比べると、首差しの印象など似ている点が見つかりますが、父より胴はやや短めで、距離適性はマイル辺りになるかもしれませんが、胴伸びしてくればまた印象は変わるかもしれません。

 

シーディドアラバイ2019クリアアンバー系

母シーディドアラバイは2004年生まれのジャングルポケット産駒で、現役時代は22戦1勝の成績を残しました。きょうだいには目立った活躍馬はいませんが、母としてロッカフラベイビーキングカメハメハ、'15 スイートピーS3着・東京T1800m)ます。

社台グループが輸入したクリアアンバーを基礎に広がったファミリーで、サクラバクシンオーサクラユタカオー、'94 スプリンターズS・中山T1200m)が出ています。

SS系種牡馬×トニービン牝馬の組み合わせからは、サトノノブレスディープインパクト母父トニービン 、'14 日経新春杯・京都T2400m)、ミッキースワロートーセンホマレボシ母父ジャングルポケット、'20 日経賞・中山T2500m)、ナイママダノンバラード、'18 札幌2歳S2着・札幌T1800m)が出ています。

母仔ともにノーザンファーム生産馬で、サンデーレーシングにて35万円×40口の総額1400万円で募集されています。

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馬体写真を見ると、がっしりとした前駆に父の特徴がよく見て取れますね。

胸の容積もしっかりしていて、良血らしい品のあるたたずまいは見て「ああ… いい馬だな…」とため息を漏らしてしまいますね。 

 

ベットーレ2019輸入牝系

母ベットーレは2009年生まれのBlu Air Force産駒で、現役時代は24戦して'13 カルロ・キエザ賞(伊T1200m)を含む7勝の成績を残しました。きょうだいに活躍馬はいませんが、母としてナイントゥファイヴスクリーンヒーロー、'20 フイリーズレビュー3着・阪神T1400m)を送り出しています。

日本で発展を始めているファミリーです。

SS系種牡馬×Red Ransom牝馬の組み合わせからは、ナイントゥファイヴのほか、ロッカヴェラーノマンハッタンカフェ母父Sri Pegan、'11 すみれS・阪神T2200m)が出ています。

ノーザンファームの生産馬で、セレクトセール当歳で5184万円で取引されました。ライオンレースホースにて6.4万円×1000口の総額6400万円で募集されています。

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上2頭と比較するとやや細身に映りますが、背中のラインなど、シルエットの面ではよく父が出ていると見ます。ノーザンF系のクラブより割高になってしまうのはバイヤー系クラブの宿命といえますが、この馬は”お値打ち”になることができるでしょうか。

 

以上、2021年新種牡馬サトノアラジン編でした。