こんにちは。高津です。
クラブ募集が始まる前に大方の紹介を終えたいと思っていましたが、全く終わっていない現状は、恥ずかしい限りです。
今回はアメリカンペイトリオットを考察、紹介しますが、下書きをゴニョゴニョやっている間に同系統のWar Of Willがメーカーズ46マイルを勝ってしまったり、適時性を逸してしまいました。
では、始めていきます。
種牡馬データ
2013年3月18日生
米国ケンタッキー州・ウィンスターファーム生産
父:War Front→Danzig→Northern Dancer
母:Life Well Lived
母父:Tiznow→Cee's Tizzy→Relaunch→In Reality→Intentionally→War Relic→Man o'war
母母父:Notebook→Well Decorated→Raja Baba→Bold Ruler
母母母父:Gold Meridian→Seattle Slew→Bold Reasoning→Boldnesian→Bold Ruler
母母母母父:Tri Jet→Jester→Tom Fool→Menow→Pharamond→Phararis
血統背景:
父War FrontはDanzig晩年の産駒です。競走馬としての実績はアルフレッド・G・ヴァンダービルトBCハンデ(D6F)のみにとどまりましたが、種牡馬で大成功。。War Of Will('19プリークネスS)、デクラレーションオブウォー('13インターナショナルS)、Air Force Blue('15デュハーストS)などを送り出しています。
母父TiznowはMan o'warの父系に属する馬です。現役時代は00-01のBCクラシックを連覇しました。種牡馬としてはWell Armed('09ドバイワールドカップ)、Tizway('11メトロポリタンH)を送り出しています。
母母父Notebookは米重賞馬です。GIIとGIIIを1勝ずつと中堅の域を出ませんが、種牡馬としてはGI馬4頭を送り出して成功しました。祖父にあたるRaja Babaからはジユニアス(→ミスタートウジン)とロイヤルスキー(→アグネスフローラ、ワカオライデン)が出ており、日本への適性がうかがえます。
母母母父Gold Meridianは愛国で走ったSeattle Slew産駒です。リステッドレース勝ちとGIII2着の実績を挙げています。種牡馬としてはSupah Gem(サンタマリアハンデD8.5F)を送り出してGI馬の父となっています。
Danzigの子孫にはヨーロッパで父系を伸ばしていますが、この系統は例外的にアメリカで発達している血統といえそうです。
母母父、母母母父にBold Rulerが入っている以外はNasrullahの影響は控えめといえるかもしれません。
ただ、母の全兄が騙馬なので、潜在的な気性難を抱えている可能性はあります。
戦績:
2016年(3歳)9戦3勝 未勝利、条件戦、ケントS、セクレタリアトS③
2017年(4歳)5戦2勝 条件戦、メーカーズ46マイル
キャリア計 14戦5勝
レース映像がありましたので、貼り付けておきます。メーカーズ46マイルと、3着に敗れたセクレタリアトSの2レースです。
2017 Makers 46 Mile (G1) – AMERICAN PATRIOT
2016 Secretariat Stakes Pan & Head On Only
前半は折り合いに専念して、末脚を生かすタイプの馬だったようですね。敗れたセクレタリアトSは長く脚を使うタフなレースに見えます。ゲートが上手くなかったのかなと思われる部分は見え隠れしていますね。
産駒ピックアップ紹介
アメリカンペイトリオット産駒104頭のうち、10頭をピックアップして紹介します。
母アクアリストは2003年生まれのコロナドズクエスト産駒で、未出走です。きょうだいに活躍馬はいませんが、母としてファッショニスタ(父ストリートセンス、'20スパーキングレディーC)を送り出しています。
Magician(父Galileo、'13BCターフ)、Henrythenavigator(父Kingmambo、'08イギリス2000ギニー)などが属する牝系の出身です。
Danzig系種牡馬×49er系牝馬の組み合わせからは、Soldat(父War Front、母父コロナドズクエスト、'11ファウンテンオブユースS)、ネフェルメモリー(父アジュディケーティング、母父フォーティナイナー、'09東京プリンセス賞)が出ています。
本馬はダーレーファームの生産馬です。おそらくロイヤルブルーの勝負服で走ることになるでしょう。アクアリスト以外に、持込馬として走った半姉スピリットレイク(父Invincible Spirit)は芝で勝利を挙げています。ですので、父の適性次第では芝で戦える産駒が出てきそうです。アメリカンペイトリオットは芝路線で成績を残しましたし、期待できるかもしれませんね。
アルトゥーナ2019(アンティックヴァリュー系)
母アルトゥーナは2011年生まれのハーツクライ産駒で、現役時代は22戦1勝の成績を残しました。半姉にエクセラントカーヴ(父ダイワメジャー、'13京成杯AH)がいます。
ベガ(父トニービン、'93優駿牝馬)とその子孫たち、ダノンプログラマー('14オーロC)などが属する牝系の出身です。
Danzig系種牡馬×SS系牝馬の組み合わせからは、ペルシアンナイト(父ハービンジャー、母父サンデーサイレンス、'17マイルCS)、Quiet Oasis(父Oasis Dream、母父サンデーサイレンス、'12ロイヤルヒロインマイルS)が出ています。
母は社台ファームの生産馬ですが、本馬は新冠の村上欽哉さんの生産馬です。アピア('19船橋記念)、ドライヴナイト('18すばるS)と同じ牧場になります。
芝向きに見える母父ハーツクライですが、母母父にA.P.Indy、母母母父Mr.Prospector、母母母母父Irish Riverが重ねられており、アメリカ的な色彩の強い血統です。
生産者の村上さんはこのあたりに目をつけて母を購入されたのではないでしょうか。そこにアメリカ血統を重ねることで持続力を強化する配合に映ります。
きょうだいはまだデビューしていませんが、ダート短中距離にフォーカスして活躍してくるかもしれません。注目したいですね。
ヴェルメンティーノ2019(ドメーヌ系)
母ヴェルメンティーノは2011年生まれのダイワメジャー産駒で、現役時代は30戦3勝の成績を残しました。半姉にヴァインバッハ(父アグネスタキオン、'10平和賞)がいます。
祖母ドメーヌはチリ産のG1馬で、遡るとSomethingroyalに行きつく新大陸系の名牝系の出身です。ニシノフラワー(父Majestic Light、'92桜花賞)とそのひ孫ニシノデイジー(父ハービンジャー、'18東スポ杯2歳S)と同牝系にあたります。
Danzig系種牡馬×SS系牝馬の組み合わせからは、ペルシアンナイト(父ハービンジャー、母父サンデーサイレンス、'17マイルCS)、Quiet Oasis(父Oasis Dream、母父サンデーサイレンス、'12ロイヤルヒロインマイルS)が出ています。
本馬は社台ファームの生産馬です。販売情報、一口クラブ、共有馬主での募集もありませんので、おそらくオーナー譲渡で走るのでしょう。最近活躍馬が続出している南米系の牝系です。母が3勝を挙げて日本競馬への適性を見せていますので、母より走ってもおかしくないように思います。
父の遺伝適性が芝向きなら芝のマイル近辺で、パワー遺伝でも母と同様ダートのマイル辺りに適性を見せるのではないでしょうか。
サマナケイ2019(Pasadoble系)
母サマナケイは2009年生まれのAuthorized産駒で、現役時代はフランスで走り、12戦2勝の成績を残しました。2勝以外に'12プティエトワール賞(T1900m)2着、ノール大賞(T2100m)2着、'13タイテエム賞(T1600m)3着の実績があります。半弟にPermian(父Teofilo、'17キングエドワード7世S・英T12F)がいます。
Kingmambo(父Mr.Prospector、'93仏2000ギニー)やリアルスティール(父ディープインパクト、'16ドバイターフ)、ラヴズオンリーユー(父ディープインパクト、'19優駿牝馬)などが属する牝系の出身です。近い分岐ではOld Persian(父Dubawi、'19ドバイシーマクラシック)が出ています。
Danzig系種牡馬×Montjeu系牝馬の組み合わせからは、Charm Spirit(父Invincible Spirit、母父Montjeu、'14クイーンエリザベス2世S)、Obviously(父Chosir、母父Montjeu、'16BCターフスプリント)が出ています。
本馬はダーレーファームの生産馬です。デビューしている姉2頭ともにロイヤルブルーの勝負服で走っていますので、本馬もそうなることが容易に想像できます。半姉サドギンザンは芝マイルで勝ち上がっていますし、芝の中距離で活躍した母からも、適距離は1600-2000辺りと考えられそうです。
ピクシープリンセス2019(Change Water系)
母ピクシープリンセスは2008年生まれのディープインパクト産駒で、現役時代は16戦3勝の成績を残しました。最終格付けは1600万下でしたが、'12エリザベス女王杯3着の実績があります。きょうだいに目立った活躍馬はいません。
アメリカで発展した牝系の出身です。近い分岐だとMedaaly(父Highest Honor、'96レーシングポストトロフィー)、日本ではレジネッタ(父フレンチデピュティ、'08桜花賞)、アジアエクスプレス(父ヘニーヒューズ、'13朝日杯FS)が出ています。
Danzig系種牡馬×SS系牝馬の組み合わせからは、ペルシアンナイト(父ハービンジャー、母父サンデーサイレンス、'17マイルCS)、Quiet Oasis(父Oasis Dream、母父サンデーサイレンス、'12ロイヤルヒロインマイルS)が出ています。
本馬はダーレーファームの生産馬です。デビュー済のきょうだいはすべてロイヤルブルーの勝負服で走っていますので、本馬もそうなることでしょう。3歳上の半姉ピクシーメイデンは未勝利のまま500万下で走り、先日初勝利を挙げました。母も仕上がり早の父の割に初勝利は3歳夏と、少し奥手の傾向が見えます。ですので、POG指名などには向いてないかもしれませんね。
アラリーン2019(Sunbittern系)
母アラリーンは2008年生まれのSelkirk産駒で、現役時代はイギリスで走り、5戦0勝の成績を残しました。半姉にCritisism(父Machiavellian、'09シープスヘッドベイH・T11F)、Peacoat(父Doyen、'10メリサンド賞・T2000m)がいます。
欧州で発展した牝系の出身で、Dubawi(父Dubai Millennium、'05愛2000ギニー)、In the Wings(父Sadler's Wells、'90BCターフ)が出ています。
Danzig系種牡馬×Sharpen Up系牝馬の組み合わせからは、Danehill Dancer(父デインヒル、母父Sharpen Up、'95フィーニクスS)Simply Perfect(父デインヒル、母父Selkirk、'06フィリーズマイル)、Mount Nelson(父ロックオブジブラルタル、母父Selkirk、'06クリテリウムアンテルナシオナル)が出ています。
本馬はダーレーファームの生産馬です。ロイヤルブルーの勝負服の元走る可能性が高いです。
親族的にも芝の中距離を得意とした馬が出ていますし、適距離は1600-2000m辺りになるでしょうか。
まだきょうだいは勝利を挙げていませんので、まずは初勝利を目指してがんばってほしいですね。
クリスタ2019(クリアアンバー系)
母クリスタは2013年生まれのシンボリクリスエス産駒で、現役時代は4戦0勝の成績を残しました。半姉にロッカフラベイビー(父キングカメハメハ、'15スイートピーS3着)がいます。
輸入牝馬クリアアンバーを起点に日本で発展した牝系の出身です。古くはアンバーシャダイ(父ノーザンテースト、'81有馬記念)、サクラバクシンオー(父サクラユタカオー、'93-94スプリンターズS)、2010年代にはミッキードリーム(父キングカメハメハ、'11朝日チャレンジC)、アルフレード(父シンボリクリスエス、'11朝日杯FS)などが出ています。
Danzig系種牡馬×Roberto系牝馬の組み合わせからは、War Chant(父Danzig、母父Kris S.、'00BCマイル)、Yashmak(父Danzig、母父Roberto、'97フラワーボウルH)、Istidaad(父Chief's Crown、母父Roberto、'99オーストラリアンC)が出ています。
母はノーザンファーム生産馬ですが、本馬は谷川牧場生産です。母はセレクトセールでシンザンの橋元一族に購買されていますので、そのつながりで谷川牧場に繋養されているのでしょうか。母の兄弟は芝の短中距離で勝利を挙げている馬が多く、適性はマイル辺りになるのではないでしょうか。
ゴールデンファレノ2019(クリスタルガーデン系)
母ゴールデンファレノは2010年生まれのフジキセキ産駒で、現役時代は10戦1勝の成績を残しました。全兄にゴールデンダリア('10新潟大賞典)、半兄スカイディグニティ(父ブライアンズタイム、'12菊花賞2着)がいます。
資生園早田牧場が輸入した輸入牝馬クリスタルガーデンを起点とした牝系の出身です。活躍馬は先述した母の兄たちに集中しています。
Danzig系種牡馬×SS系牝馬の組み合わせからは、ペルシアンナイト(父ハービンジャー、母父サンデーサイレンス、'17マイルCS)、Quiet Oasis(父Oasis Dream、母父サンデーサイレンス、'12ロイヤルヒロインマイルS)が出ています。
母、本馬ともに新冠の大栄牧場の生産馬です。
一族の馬は芝ダートともに短長問わず活躍馬が出ていますので、血統から適性は見出すのは難しいと考えます。フジキセキは母父に入るとダートに傾く傾向が見られますので、ダート向きに出るかもしれません。
ダイワソフィー2019(セイリングビューティー系)
母ダイワソフィーは2011年生まれのチチカステナンゴ産駒で、現役時代は18戦1勝の成績を残しました。半妹にエテルナミノル('18愛知杯)がいます。
社台グループが輸入した輸入牝馬セイリングビューティーを起点とした牝系の出身です。エテルナミノル以外にもオメガパフューム(父スウェプトオーヴァーボード、'18-19東京大賞典)、マルカバッケン(父クロフネ、'13北海道スプリントC2着)が出ています。
Danzig系種牡馬×Caro系牝馬の組み合わせからは、アンプレシオナント(父デインヒル、母父Kaldoun、'06サンドリンガム賞)、Bewitched(父Dansili、母父Kaldoun、'11ルネサンスS)が出ています。
母は社台ファームの生産馬ですが、本馬は荻伏・小林仁さんの生産馬です。
父の資質次第で芝ダートどちらにも化ける血統と見えますので、アメリカンパトリオットの遺伝資質に左右されそうです。
母のオーナーだった大城敬三さんは亡くなられていますし、現時点で取引情報もありません。半兄は昨年の北海道サマーセールで取引されています(価格378万円)ので、どこかの競り市に上場されると思いますが…
ハッシュ2019(Balidaress系)
母ハッシュは2011年生まれのコマンズ産駒で、現役時代は24戦4勝の成績を残しました。きょうだいに目立った活躍馬はいません。
欧州で主に発展した牝系の出身です。Cape Cross(父Green Desert、'98ロッキンジS)やディクタット(父Warning、'99スプリントC)、クロコスミア(父ステイゴールド、'17府中牝馬S)などが出ており、本馬に近い分岐だとLayman(父サンデーサイレンス、'05ソヴリンS)が出ています。
Danzig系種牡馬×デインヒル系牝馬の組み合わせからは、Nayarra(父Cape Cross、母父デインヒル、'11イタリアグランクリテリウム)が出ています。
本馬はダーレーファームの生産馬で、ロイヤルブルーの勝負服で走ることになりそうです。母、母の半姉が芝の短距離路線で活躍した実績があり、この馬は短距離に傾いた資質を持っていそうです。